髄液検査

脳と脊髄の神経を中枢神経といい、非常に大切な神経である。

その為、頭蓋骨と背骨で保護されており、脳から髄膜までの全体が髄膜に包まれている。その髄膜は3層からなっており、外側の骨と接している「硬膜」その下に「くも膜」、内側の脳や神経を直接覆っている「軟膜」の3層である。

くも膜と軟膜の間に「髄液」が流れており、栄養補給や老廃物の排除等の役割を担っている。また、脳や神経を衝撃から守る働きも持ち合わせているのだ。

脳や脊髄に何か異常や病気が見つかった時、髄液にも変化が起こることが知られている。この髄液の性質を利用した検査こそ「髄膜検査」である。髄膜を採取し調査することで、病気・異変の発見・判定に用いるのである。

この髄膜検査、かつては脳や脊髄の病気・障害を発見するべく非常に重要しされた検査であるが、CTやMRI等の開発により苦痛と多少の危険を伴う髄膜検査に取って代わる事となった。

しかしながら、髄膜炎・くも膜下出血が疑われる際もしくはCT・MRI検査だけでは判別が困難な際にはさらに詳しく調べる必要もある事だろう。そのような事態にはこの髄膜検査が行われるのである。近年では、髄液に含まれている成分を調べることで、脳へのがん転移の有無及び状態までも明確にすることが可能となっている。

この髄液検査の所要時間はおよそ5~6分。局部麻酔を行うとはいえ、腰から第3、第4腰椎の間に針を通して3層の膜を通して髄膜を採取する。多少の痛みは伴い、検査の後は少なくとも1時間前後は安静にしている必要があるだろう。