赤血球数

血液に抗凝固剤を混ぜ入れ、垂直に立てた試験管に入れておくと思い物は沈殿していき、次第に分離していく。血球などの下に沈んだ有形成分と上澄みの液体成分に分かれる。前者には血球だけでなく様々な細胞も含まれている。
さて、血球を大別すると赤血球・白血球・血小板の3種類に分けることが出来る。そのうち最も多いのが赤血球である。赤血球が担っている働きとは、肺から取り込んだ酸素を全身の組織細胞に運ぶことである。そして、組織細胞が放出した二酸化炭素を肺に送り出すのも赤血球の大事な仕事だ。
その赤血球は骨髄で生成され、血液中に送り出されていく。
赤血球の寿命はおよそ120日間、日々新しくなっていくのである。一日に生成される赤血球はその数4万~5万個/μL。その一方で寿命を迎えた赤血球は肝臓や脾臓にて破壊されていく仕組みになっている。赤血球の中にはたくさんのヘモグロビンが含まれており、酸素を運搬する際に非常に重要な働きをしている。
血液中の赤血球はこのように破壊・生成を繰り返すことで常に一定の量を保っている。もし身体に何かしらの異常が生じ、赤血球の数が例えば少なくなってしまったとすると、いったいどうなるだろうか。赤血球の数が減ってしまうという事は、その分全身に酸素を供給できる量が減ってしまうという事だ。この酸素不足の状態を我々は「貧血」と呼んでいる。一方で、わずかではあるが逆に赤血球の量が過多となっている人もいるようだ。このことを「多血症」という。多血症の場合どうなってしまうかというと、赤血球が多いことにより血液が濃くなり固まりやすくなってしまうのである。この状況だと、健康な人よりも脳梗塞・心筋梗塞になるリスクが高くなってしまう。
という訳で、血液採取より赤血球及びその他の血球などの数値を調べる事で貧血・多血症の可能性がないか調べていくのである。
異常な所見があった場合には、併せて精密検査も行い原因追及を図っていく。鉄欠乏性貧血ならば、栄養バランスなどを見直し鉄分の多い食事を心がけていくことが大切である。必要であれば、足りていない鉄を補給する鉄剤を服用する手段もある為、医師に相談してみると良いだろう。悪性貧血・再生不良性貧血・吐血性貧血・多血症などの場合には専門医の指導に基づく治療が必要となってくる。