ウイルス抗体価検査

ウイルスに感染した際、血液や分泌液からウイルスを検出することが出来れば確実に診断をすることが出来る。しかし、そう簡単にウイルスの検出が出来ない場合だってある。そのような場合には、感染時に体内に生じる抗体を検出で切れば必然的にウイルスに感染していると判断することが出来るのである。この抗体からウイルス感染しているかどうかを調べる検査の事を「ウイルス抗体価検査」という。 ウイルスが体内に入ってくると、間もなくして抗原に対抗しようとして抗体が生成される。抗体は免疫グロブリンというタンパク質で構成されている。正確には細分化すると5種類が明らかにされているのだが、そのうち感染の防御に関係しているのは「lgM」と「lgG」である。 lgMはウイルス感染直後から増加し始め2週間でピークを迎え、1~2か月ほどすればほとんど消滅する。一方のlgGはというと、lgMより数日遅れて出現するという特徴がある。そして、lgMが減少した後も増え続け、ウイルス退治後も高値が続く。同じウイルスに再度感染した際は2~3日で急激に増加して追い払い、2度とそのウイルスに感染しなくなるのである。 なお、ウイルス性肝炎やエイズなどのウイルス感染で、ウイルスの種類を鑑別する検査が開発されているものに関しては、この検査は行わない。 また、抗体検査は、感染してから2週間ほど経過しないと、検出することが出来ない為、感染してすぐの潜伏期間は診断の役に立てることが出来ないのだ。 自覚症状やその他の検査結果から病気の診断を行い、治療に必要な場合には医師の指示に従って治療を進めてもらいたい。