尿潜血

腎臓や尿管・膀胱に異常が生じると、尿の中に赤血球が漏れ出してしまうという事があります。これを血尿と言います。医学的に血尿とは、尿に血液とくに赤血球が一視野に1個以上含まれる場合を指します。血尿には、見れば血が漏れ出していると分かる肉眼的血尿と顕微鏡でないと分からない顕微鏡的血尿とに分けられます。本検査「尿潜血」とは、試験紙によって尿中のヘモグロビンの有無を調べるというものです。これは遊離したヘモグロビンだけを検出しますが、血尿では一部溶血している為血尿の検査として用いられています。本検査は、腎・尿路系の病気あるいは筋疾患などによるミオグロビン尿など全身疾患の可能性を示します。検査に用いる試験紙は、尿中の赤血球の数によって色が変化する為、それで血尿の程度を知る事が可能です。注意点としては、ビタミンCの過剰摂取や過度な運動後・発熱などでも陽性判定となる事があげられます。女性の場合だと、生理中に尿に血液が混じってしまいますので、本検査は生理後に行うようにしましょう。普通1回の検査では病気を特定するという事はできません。また、健康な人の身体でもごく微量の赤血球が尿に混じるという事もあります。尿潜血で陽性判定が出た場合、尿沈渣という検査で尿中に赤血球が含まれているかを確認することとなります。糸球体からの血尿と尿路からの血尿の区別は、赤血球変形(糸球体性)・赤血球円柱(尿細管)などの所見が有用です。尿潜血で陽性判定が出たからと言って1回の検査で病気が特定で出来ないとお伝えしたのは、疑われる病気が多くある為です。年齢や状況に応じて追加の検査が必要となってくるのです。多いのは、膀胱炎・腎臓や尿路の結石になります。尿たんぱくがある場合は糸球体腎炎が、高齢者ならば尿路系の腫瘍の可能性も考えられます。