胃液検査

胃液は、食べ物を消化する為に胃壁から分泌される消化液です。胃酸とも呼ばれる塩酸が分泌されますので、とても低いpH(酸性)の状態で保たれています。胃液には、病原体などの外敵から身を守る生体防御システムとしての役割があると同時に、酸性条件下で活性化されるペプシンという分解酵素による消化・吸収の役割を果たしているのです。胃液検査は、胃液の分泌量や成分値をはかり、胃の機能状態を調べる検査になります。胃の過酸状態、胃に働きかけて胃酸を産生させるホルモンであるガスとリンが大量に産生されるゾリンジャー・エリソン症候群という病気が代表的な状態です。また、低酸状態という悪性貧血・萎縮性胃炎などに代表される状態、これらの評価が可能となります。また、結核診断の為の細菌学的検査を目的に胃液を採取する事も有ります。検査時には、ベッドに横になり、口から細い管を通して胃液を採取します。しかし近年では胃内視鏡検査が広く普及した為、以前ほどの使用頻度はなくなりつつある検査です。