アミラーゼ

アミラーゼ、本検査での基準値は44~132U/I。膵臓・唾液に多く含まれており、でんぷんを分解する働きを持つ酵素です。血液中のものは腎臓から尿中に排出します。血液中のアミラーゼが多いという事は、膵臓・唾液の分泌に異常があるか漏れ出ているか或いは腎臓からの排出が上手く出来ていない・不十分という事を推測します。本検査で血液中のアミラーゼが高値である場合、急激な炎症で膵臓の細胞が破壊されアミラーゼが漏れ出る急性膵炎・石や腫瘍で膵液の流れが阻害され水泳と共にアミラーゼが血液中に漏れ出てしまう膵石症に加え、膵腫瘍・膵がんを見つける1つの手がかりを見つけていきます。慢性膵炎でも血液中のアミラーゼが上昇する事はあります。しかし、病気の進行によって膵臓の働きが低下し、アミラーゼの産生量そのものが少なくなると逆に血液中アミラーゼは低くなります。膵がんも同様です。従って、アミラーゼの数値だけでは、慢性膵炎なのか数眼なのかを判断する事は難しいと言えます。血液中のアミラーゼが高い。じゃあ膵臓に異常あり?唾液腺に異常あり?この判断は、アミラーゼアイソザイムを調べるのが有効となります。また、これら以外にも、腸閉塞・腹膜炎など腹部の急性疾患で血液中アミラーゼは上昇します。肺・卵巣などの悪性腫瘍でアミラーゼを作る性質のものも存在します。この場合も血液中アミラーゼは上昇します。一方腎臓機能の障害でアミラーゼの排出が遅れる事によって血液中アミラーゼが上昇する例には、慢性腎不全が挙げられます。このような腎機能の問題によるアミラーゼ値の上昇が疑われる場合には、尿中のアミラーゼを測定する事で判断していきます。