日和見感染

私たちの体内や粘膜、皮膚の表面には多くの細菌や微生物が住み着いているのです。これを常在菌と言います。口腔内には多くの常在菌が存在していて、いくら歯磨きをしてもいなくなるという事はないのです。大腸内にも、様々な菌が存在していますが、必ずしもすべての菌が身体に悪影響を及ぼすというわけではありません。通常は微生物に対して抵抗力が備わっていますので、健康な時には問題はありません。しかし体の抵抗力や免疫力が低下してしまうと、感染してしまうという事があるのです。これを日和見感染と言います。普通では病気を起こさない微弱な病原体でも、感染症を引き起こしてしまう病気です。この日和見感染は、抗がん剤や放射線治療などによって免疫力が低下した際に起こります。病院内で起こる感染を院内感染と言います。弱毒の緑膿菌やブドウ球菌などが、体内の弱っている入院患者さんに感染すると病気を引き起こしてしまうのです。ノロウイルスによるウイルス感染もこれに当てはまります。近年ではICT(インフェクションコントロールチーム)をつくり、対策に乗り出す病院が増えつつあります。