胸部X線検査

まずX線というのは、電磁波の一種である。従ってものをすり抜けるという性質を持っているのも特徴である。

このX線を人体にあてて撮影すると、骨のような通り抜けにくい部分は黒く写り、空気や水が多い箇所はX線が通り抜ける為白く写るのだ。体の様子が白黒の濃淡で映し出される為、悪性新生物や炎症・結石・溜まっている空気や水・異物を発見することが可能となる。

全身の体内をX線で調べることが出来るのであるが、このうち胸部をX線で撮影する場合を「胸部X線検査」という。


肺結核、今でこそ医療の進化によって診断・治療がなされるようになった。しかしながら、かつては多くの人の命を奪ってきた病気である。この肺結核や肺炎・肺気腫・自然気泡・肺がん等の呼吸器の病気、心肥大・弁膜症・先天性疾患といった心臓病等様々な病気などの発見・診断に胸部X線検査は貢献し、今もなお欠かすことのできない検査の一つであるといえるだろう。


検査の所要時間はおよそ2~3分。苦痛なども全くなく、単純撮影はX線量も少ない為、副作用などの心配も無用である。


因みにだが、この胸部X線検査で異常値が検出された際に疑われる病気の一つとして「慢性閉塞肺疾患(COPD)」という病気がある。これは肺の慢性的な炎症のために気道が狭まり呼吸困難を引き起こす病気で、今日の死亡原因としても高確率なのだ。

この病気の最大の要因は喫煙だ。喫煙経験のあるひとで、息切れ・咳・痰といった症状が続いているようならば、早めに呼吸器科の受診をお勧めする。